◎今回は理化学研究所脳科学総合研究センターで研究員をされている佐藤正晃様を訪問させていただきました。
マウス用球面投影システムとは?※本テキスト中の「マウス」とは、ハツカネズミをさします。
マウス用球面システムとはマウスがVR空間の迷路を探索することができるシステムです。
頭部を固定されたマウスが球体の上を走行すると距離や方向がVR空間の迷路に反映され、
リアルタイムに球面スクリーンに提示されるCG空間が変化します。
佐藤様の作成したVR空間ではマウスが直線路の両端のエリアを交互に行き来すると
報酬として水が与えられるという課題をおこなっています。
このVR空間がオメガスペースにより生成されています。
◆今回ソリッドレイが納入させていただいたシステム構成
・240°球面スクリーン
・小型LEDプロジェクタ
・Windows PC
・オメガスペース(VR空間構築ソフト・各種オプション)
◆インタビュー
Q.マウスにVRシステムを使ってみようと思ったのはなぜですか?
ある環境を探索している時の「記憶」に関係する脳の働きを研究するのにVRシステムが必要でした。
脳の活動を撮ろうとした場合、動物を顕微鏡の下に固定しなくてはいけないので
従来はマウスを麻酔して観察していました。
このVRシステムを使用すれば、マウスの頭部を固定したまま、マウスはVR空間を自由に移動できます。
これにより探索行動中の脳の1つ1つの神経細胞の活動を顕微鏡下で撮影できるようになりました。
Q.オメガスペースを使っていて便利なところはどこですか?
マウスの置かれた条件をクリック1つで変えられるところです。
例えば壁のパターンを変えたり場所の手掛かりを出したり消したりできるところです。
バーチャルワールド内のルールをシナリオで記述できフレキシブルに環境設定できます。
トリガーが出せるので報酬の供給など、外部機器と連動させられます。
パソコンでコンテンツを作って環境の描画はオメガスペースに任せておけます。
動物を使った研究にもオメガスペースが活用されているという、大変興味深く貴重なお話を
伺うことができました。
佐藤様、お忙しい中お時間を割いていただき誠にありがとうございました!