今年3月、恩師である谷口先生と和田先生が定年退官されるにあたって 最終講義が開かれる。 というメールが大学時代の友人から来ました。 私が出身大学の名前を言うと皆が「え〜!嘘ぉ〜」と叫ぶのであえて名前 は出さないですが、四谷駅の前にあるJ大学です。 さらに、私が ここの数 学科を出ていると言うと、また「え〜! 嘘ぉ〜」となります。 私の外見、発言からとても数学家(?)には見えないようです。 という事で30年ぶりに教室に行き講義を聞いてきました。 さすがに最終講義なのでかなりな人でした。 内容は↓です。
磁石のNとSは引き合うが、その根本の力はいったい何なのか? 物質と物質は引き合う(万有引力)がその根本の力は何なのか? という問題でした。 こういう疑問に答えてくれる人がいなかったそうです。 “根本のしくみ”が明確になっていなくて、「磁石のNとSは、引き合うものなんだ 。」 「物質と物質は、引き合うものなんだ。」と考え、その上にさまざまな法則が体系化 されているというわけです。 和田先生は非常に純心だったようで、そういう未解明なモノが根本にあるのがどうも 性格に合わなくて、数学の道を選んだ、とおっしゃったのです。
普段当たり前だと思っている事も、何でそうなってるの?という疑問を持つ事 でモノの真理を発見することがあります。「ニュートンは、りんごが木から落ち るのを見て万有引力の法則を発見した」と子供の頃よく聞かされました。 普通の人は、りんごが木から地面に落ちるのは、当たり前でありそのまま見 過ごします。湯船からこぼれる水を見ても当たり前に見過ごしますが、アルキ メデスは浮力の原理を発見しました。
ビジネスの世界でも同じ事が言えるのかもしれません。 当たり前の事を当たり前だと思ってやり過ごす人とそうでない人がいるのです。 分かってはいるのですが、どうしても目の前の事象を当たり前の事として見逃し てしまいます。特に年を取るとそうなるのかもしれません。 授業が終わっての帰り道、初心に戻って「何でだろう?」という探究心を大切に しようと考えていました。 33年ぶりの授業は計らずも有意義なものとなりました。
和田先生、谷口先生、長きに渡る教員生活お疲れ様でした。