ついにリニューアルが完成した。雑然とした社内に突然白い変な壁が出現し、社員さんのほとんどは、→(??) と複雑な気持ちになったかもしれない。
ちょっとオシャレなBARという事になった。 皆でいろいろな案を考えたが一番迷ったのは、壁の色であった。 ほぼ全員一致で赤にしようとなったのだが、赤い壁ってどうなんだろう? 精神に悪い影響を与えるかもしれない、やはり無難な黒い壁(?) にしようか、など意見百出だった。
社員:「赤い壁いいですね〜」
私:「うん、赤にしてよかったね」
社員:「でも社長、人間は赤色を見ると興奮するんですよね?」
私:「牛も興奮するらしいよ。」
社員:「さらにお酒も飲むんですよね?あの壁を見ながらお酒を飲んだら
かなり興奮しませんか?」
私:「そうかもしれないけど、それで何か問題ある?」
社員:「もしも、それでお客様が変になってしまったら、 訴えられますかね?」
私:「・・・・・・?」
社員:「昔、アメリカで地下鉄事故に会ったお婆さんが事故の後遺症で 色情狂になってしまい、地下鉄を裁判所に訴えたらしいんですよ。
その時の新聞の見出しは『欲望という名の電車』でした。」
私:「そりゃ、テネシー・ウィリアムズもあの世でびっくりだ。」
社員:「でも、赤というのは日本の伝統建築でもよくあるんですよ。」
私:「取り合えず交遊録のネタにしてしまおうかなぁ?」 社員:「・・・・・」
という社員さんとの会話から交遊録を書き始めたのである。 ソリッドレイのBARは確かに赤い壁がある。その影響でお客様が変になってしまったら、新聞の見出しは「欲望という名の赤い壁」になるのであろうか??